年下彼は手強いのです,

「まぁ現にそうだし」

「なっ」

「今は、な」

「……上等じゃんか」


ニィと笑って俺は駆け出す。右に、左に上手くトラップしていく。FWのくせにうまいんだよな、細かいプレー。


「取れ…るっ」


右足を伸ばした…がかわされた。


「次こそ……」


意気込んでまた走り出した時、逞磨からまさかの声が出た。


「お前さー、真尋さん好きだろ」

「はぁっ」


あ、ヤベ。完全に動揺した。

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