ユメみる夢みる僕のキセキ
「あー、あれ、文歌ちゃんだよ~、すごいね~しず…ぶうっ!?」

俺は俺の名前を出そうとした優実の口を全力で塞いで黙らせた。

「……ぶ~~…ばびぶぶぼ?」

「静かにしろ、絶対に俺の名前を口に出す…」

「「「あーーー!? 見つけたわよ雫っ、優実! ――…ほら、あそこよあそこ、早く向かって!」」」

 得体のしれない気持ち悪い洋風な物体………
 たぶん神輿のつもりだなアレ、は一直線に俺の方へ向かって来て、俺の目の前で止まった。
 それと同時に、周りに居た人間達の目も得体のしれない物体が射す「雫」に釘付けになった。
 マズイ、このままじゃ俺も変人扱いだ!?

「……お、おい誰だ、雫って……お前か?」

「「「何言ってんのアンタでしょアンタ、そこの浴衣着た可愛い女の子と一緒に居る黒い服着たアンタ!」」」

 なに、特徴言ってやがるんだ!?

 その瞬間、神輿の目の前に居た「雫」の該当者は俺一人しか居なくなり、完全に俺に痛い視線が集まった。

「……僕は佐藤です。僕、あんな人見たことありません。初対面です、はい……」

「ぶびばびゃ~~ん!」

「黙ってろ優実ぃぃぃぃぃい!!!?」

 もう駄目だ……
 その時……いろんな意味で俺は終わった。
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