Happy Smile
キィィ………



「失礼しま―す…」




小声でそう言って当たりを確認しながら中に入った













「まだ来てないのかな…」





図書室内をぐるりと回って見たが先輩らしき人はまだいなかった










しょうがないので私は『プランダースの犬』という本を手に取って近くの椅子に座った










最初はパラパラと暇つぶし程度に読んでいたが段々本に引き込まれていった





「……グスン……うぅ…」






いつの間にか最後まで読んでいてラストのシーンでは号泣だった




















「結衣ちゃん?」






「え?」

















急に頭上で声がした






慌てて見上げるとそこには








目を丸くして私を見下ろす池崎先輩がいた








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