幸せの音が響く
私の聞き間違いだろうか? 



鷹野君が私に――

これは本当なの?

確かめたいけど、聞きたいけど、振り向けない。


「え・・ウ、ウソ・・。
だって・・」

『ウソじゃないよ。俺はウソや冗談なんかで好きって言わないし告白しない』

「本気で、言ってるの・・?」

『本気だよ。俺が図書委員になったのだって高村と話す機会が欲しかったからだし、席が隣になった時だってすげぇ嬉しくて、だから毎日毎日朝早く学校来て。それもこれも、高村と2人っきりになりたかったからだよ。屋上も、高村しか誘ってないし高村しか入れたくない。
全部・・全部高村が好きだからだよ』




どうしよう。

涙が止まらない。

どうしよう。

何を言えばいいの?





『・・・ごめん。俺、高村を傷付けるつもりも困らせるつもりも――』

「ううん・・」



言葉の途中で首を横に振った。





違う。違うよ。








私は―――




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