お姫様のtrueprince☆

笑いながら、あたしの頭に優しく手を
置きながら早崎くんはそう言った。

でも
その手はとても震えてた。

あーあたしはバカだ・・・・・・
気づかなければよかったのに。


どうして気づいちゃったんだろう。



「早崎くんっ・・あたし・・」

「完全に俺がプリンスになってやろうって
思ったんだけどおかしいな・・・」

「え?」

「今は藍ちゃんを悲しませたくないんだ」



そんなこと・・・
そんなこと言われちゃったらなんて返せば
いいのか分かんないよ・・?


少しその場で無言になったけど

「帰ろう」

そう切り出してくれたのも早崎くんだった。


あたしの家までもあっという間に着いて、

「じゃあな!」

「ばっ、ばいばい!」


あたしは大声でそう返すしかなくて、
今日最後に見た早崎くんの笑顔は・・・・・・
本物ですか?
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