AZZURRO
雪乃の鼓膜を震わせ
脳みそまで響き渡った



深い藍色の瞳が微かに震えていた



「何があったかは知らないが、命を粗末にするなバカ者。」


いくぶん落ち着いた
バリトンの声


「…はい。」


生まれて初めて怒られた

しかも
私も素直に返事なんかしちゃってるし…


雪乃は初めての感覚に戸惑っていた
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