AZZURRO
はぁ…


知らずに出た小さなため息


なんだったんだろう
あの夢…



思えば

母さんの夢を見るなんて
何年振りだろうか…?



体を起して
ベットを降りると

すぐに足元に
マリモがすり寄った


「マリモ、おはよう。」

雪乃が頭をなでてやると
気持ちよさそうに喉を鳴らす


「ユキノ様?
お目覚めでしたか。」


「おはよう、ケシャ。」


「おはようございます。」


この世界に来て
早半年…

もはや
日常となりつつある
朝の風景…



それでも

心のどこかでは
いつも
引っかかる


【私は…
元の世界に帰れるのだろうか?】






< 213 / 319 >

この作品をシェア

pagetop