AZZURRO
宴も終盤に差し掛かり
誰もが楽しんでいる中


クリスだけは一人顔を曇らせていた


「遅い…。
いくらなんでも遅すぎる。

ジャン。」


「はい。」


貴族以下の身分の物はこの宴に
参加できないため
ケシャやポールなどはいないが

貴族の位をもつジャンは
入室が可能なため

クリスの呼びかけに
素早く姿を現した


「ユキノが戻ってこない。
確認をしてくれ。」


「御意。」


ジャンは
誰にも気づかれぬように広間を抜け出すと
ユキノの控室に向かった


足早に廊下を進むジャンの後ろに
どこから来たのかジャンの私兵が
小さな列を作る


「失礼いたします。
ユキノ様?ジャンにございます。」


しばらく待つが返事はない


「ご無礼をいたします。」

ジャンは言葉と同時にドアを開いた


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