気付いたら、悪魔の腕の中。


 「な、なんでよ?」



 「まっ破んないでね、環ちゃん」



 わざとらしくちゃん付けして、結城くんは先に歩いていった。

 なぜこうもあたしってタイミング悪いのかな・・・。



 泣きはらした目をメガネ隠してみたけど、
 やっぱりブサイクで。

 よく見ると、靴下は左右長さが違う。

 髪も案外まとまってない。



 昨日からずっとあたしには呪いがかかってるんだ。


 悪魔の、呪いが。





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