気付いたら、悪魔の腕の中。



 声の主は思ったより近くにいた。



 「・・・ゆうちゃん・・・」


 あたしは涙目になりながら、愛しい人の姿を映した。

 


 「邪魔すんなよ、神宮寺」


 威圧的な態度をとる結城くん。
 ほんとにどうしちゃったの・・・?

 ゆうちゃんはどうしてここにいるの?
 いつからいたの?
 
 いろいろ聞かれていたらどうしよう。




 「俺の睡眠邪魔してきたのは、お前らだろ」


 あたしに向けられる視線が冷たい・・・。
 やだ、見ないで。
 あたしは視線に耐えられなくて、顔を背けた。
 それが結城くんの胸に顔をうずめる形になってしまったんだけど・・・



 「俺と環、付き合うから」

 
 「ちょっと!結城くん!?」


 「いいよなあ?幼なじみくん?」


 まさか、結城くんゆうちゃんがいるのを知っててわざと、あたしに変なことしてきたの?

 



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