近々未来な彼
くっきりラインの入った二重瞼が印象的で、目力十分。
とりまとう雰囲気は大人っぽいけれど、近くで見ると男のひとと言うより、自分と同じくらいの年頃の男の子だということがわかった。
「そこに座って」
「えっ?」
「いいから」
目力溢れる瞳がこちらを向く。
強い、強い瞳。
指差されるよりも、腕を捕まれるよりも効力がある。
言われるがままに椅子に座ってしまった。
「君、今日は彼氏と別れるよ。」
―――――??!
まるで突拍子のないことを。
占いってこんな失礼なものなの?
「すぐにみえた。君の未来。俺、100発100中で当てるから」
ぽかーんと脱け殻になった私にさらに続ける。
「君はこの後すぐに彼氏の待つ映画館に戻る。そこで君は本命の彼女じゃないことを知るんだ。」
―――……本命のカノジョじゃないって…
「「そんなの信じない」」
え?
男の子は妖艶に笑みを浮かべる。
だって…今、声が重なった…。
私の言葉を予測したように。
「…とにかく、信じない。本命とかよくわからない。彼女に本命も義理もないでしょ!?」
言葉は強気。
でも声は小刻みに空気を震わせている。
内心はすごく不安でしかたなかった。
賑わいをみせる週末ショッピングモール
たくさんのひとのがやつきと落ち着いた場内アナウンスが混ざる。
私の気持ちもごちゃごちゃになる。
男の子は、そんな私をみても姿勢を崩さない。
「まあ信じないも信じるも、君の勝手。でも、あのひとは止めときな」
それから、と彼は続け、近づけた。
ふわふわの髪の毛が私の頬にかかる。
その一瞬、時が止まったかのようにアナウンスもがやつきも聞こえなくなる。
「君は俺を好きになるよ」
*