学生さん
 あたしは謙太と付き合いながら、そんなことを感じていた。


 立ち上げていたマシーンから目を離すと、あたしはキッチンにコーヒーを淹れに行く。


 紙であれネット上であれ、研究論文を読む場合、眠気が差すような文章に遭遇することは確実なのだから……。


 濃い目のコーヒーで意識を覚醒させてから、読んでいた。


 あたし自身、コーヒーには拘(こだわ)りがないようで、実はあるのだ。


 よく学内のカフェでお茶を飲むときも、エスプレッソを淹れてもらう。
 

 そういったことに長(た)けたバリスタが大学構内の喫茶店にもいたからだ。


 あたしはカフェで時間を潰すことがある。


 謙太と会えそうで会えないときは……。
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