magnet
目を閉じてみると目が熱くなった。ここまで感情的に、感傷的になるのは久しぶりな気がする。
「……ずっと、辛くなるくらいなら諦めればいいと思ってた」
「でも諦められないんでしょ?」
「うん……って、え、いや、何で目潤んでんの」
固まり始めた意志と共に目を開けば、愛架の目が真っ赤になり始めていた。
ビックリして熱かった目が一気に冷える。
「何か感慨深くてさー。あと、段々湊くんに腹立ってきたんだよ」
「何それ」
今まで、面倒くさい。嫌いだ。興味ない。と言って自分を作り上げてまで全部を諦めてきた。誰かのせいにして逃げ場ばかり追い求めていた。本当はただ怖くて仕方なかっただけ。
それでも、もういいや。って言ってこれた。
なのに未だにそう言えないのは、踏ん切りつかないのは諦めきれてないから。
まだ、間に合うだろうか。間に合わなくても、ちゃんとした形で終わらせたい。
そう、思った。