magnet
次に出てくる言葉は誰もが予想出来るだろう。次に起こる現象も。
すうっと息を吸った。
「ありがとう。私も大っっ嫌いだから嬉しいよ」
「そうやって、すぐ反発するのが気に入らねぇです」
「それはこっちの台詞」
「勝ったら絶対言うこときいてもらいます」
「上等。やれるものならせいぜい頑張れば?」
と言った所で言ってはならないような事を言った感じがして口を閉ざした。
目の前にはニィッとしてやったりの顔。
「これで、ちゃんとした約束に変わりましたね。愛架先輩という承認もいますしね」
情けない事に、去っていく背中に一声も出せなかったのだった。
下では笛の音が鳴り響いていた。