magnet
-
「はい。これでよし。瞼切っちゃうと出血が酷いけど傷自体は浅いからすぐ治るわ」
優しく微笑む先生に湊は軽く頭を下げ、「どーも」と言うとスタスタと保健室から出ていってしまった。
さっきからおかしい気がするんだけど。
いつもなら憎まれ口を叩くところだと思うんだけど。
叩かれたら叩かれたで嫌だけどね。
まぁ、心配してやる義理はないが。心配は心配なので後ろを着いていく。
校舎には人が殆んど居ないから足音2つだけが響いていた。
何も発しようとはしないから声を掛けないでいいだろうし、着いて行かなくていいとは思うのに構わずにいられなかった。
何でもいいから言おうと思った時ピタリと足は止まった。
少し遅れて私も止まった。その距離、数歩。