magnet


「ここちゃん先輩なんかに励まされるなんて世も末です」


「なんかで悪かったわね」


試合が上手く回らなくて負けて暇になったから、ちょっと話しましょう。と何の棘もなく言ってくるものだから付き合ってあげるとこれだよ。


内心あのまま放っておけば良かった。励ますなんてしなければよかったと後悔の嵐。
可愛くないやつめ……


とは言え、木陰になった体育館の脇は気持ちがいいのでそこで押し黙った。代わりに率直な疑問をぶつけてみる。


「試合に勝って、私に何をしてほしかったの?」


ピクリと眉が動いたのを見逃しはしなかった。聞いちゃマズイ事だったか。


「……教えません」


じぃっと見てるとフイッと顔を背ける。珍しい反応だ。


「気になるんだけど。教えてよ。減るもんじゃないんだし」


「教えるわけねぇです」


「何で?」


「教えたくねぇからです」


ここまで頑なに拒否して、その上大体笑顔で毒吐く所をムスッとした表情をされれば追求も出来ない。


本当、なんなんだか。




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