magnet





甘い匂いに誘われてやってくるのは天敵。


「……っ!?」


その天敵は私の前でバタッと倒れた。


「こ、心菜が湊くんを……!」


隣で見ていた愛架は口で手を覆い大げさな反応。死にはしないはずだからそんな反応しないで欲しい。


「……そんなに酷かったか」


完成してから味見していない調理実習で作ったカップケーキ。


いつもの通り酷い出来だったようだ。ペシペシと頬を叩くも起きる様子はない。


「心菜はお菓子作りはダメダメだねー」


あはは。と乾いたような笑いを上げて湊を見ている。


「過ぎたものは仕方ないよ。それより湊は……仁に保健室まで運んでもらうか」


頼りになる男子なんて仁くらいだ。早速愛架に携帯を拝借して電話を掛けた。


普通にメモリーに仁の番号が入ってないからそんな行動に出たのだ。






< 67 / 215 >

この作品をシェア

pagetop