モテる弟をもつ双子の姉の地味子の物語
シンと静まりかえる教室。
「遥の事悪く言わないで。」
「っ、この!」
理子は海に掴みかかる。
それを見ていた生徒が騒ぎ始めた。
「うざいのよ!なんでアンタなんかがっ!
家族なのに結ばれるわけないじゃない!!気持ち悪い!」
ガッ、
理子に頬を殴られ、口端が切れる。
絶対に泣かないと決め、理子をキッと睨む。
「ちょっと、やめなよ理子!」
「そうだよ、先生きちゃうって。」
友達になんとか止められて、理子はおとなしくなる。
衝撃で尻餅をついていた海をキツく睨みつけると
鼻で笑った。
*
一方、遥の教室の雰囲気も悪かった。
自分を見て小声で何かを話している。
「?」
「遥・・・。」
教室に入ってきた遥をみて健二は呟く。
「なあ、俺何かした?」
皆可笑しくないか?と健二に聞くと彼は俯き呟いた。
「お前らが双子ってこと、バレてる。
あと、両想いってことも。」
「はあ!?」
「広めた奴は誰かわかんねーけど、昨日
、クラスのほとんどの奴にメールが来た。」
ほら、と健二は携帯を見せてきた。
そこには衝撃的な内容が書かれていた。
自分と海が抱き合っている写メつきで
<実は双子だった筧海と筧遥。近親相姦中(笑)>
「な、んだよコレ・・・。」
「遥、」
冬樹が彼に声をかける。
「俺は、海ちゃんが幸せなら相手が双子のお前でもいいんだ。」
「冬樹・・・。」