モテる弟をもつ双子の姉の地味子の物語


シンと静まりかえる教室。

「遥の事悪く言わないで。」

「っ、この!」

理子は海に掴みかかる。

それを見ていた生徒が騒ぎ始めた。

「うざいのよ!なんでアンタなんかがっ!

家族なのに結ばれるわけないじゃない!!気持ち悪い!」

ガッ、

理子に頬を殴られ、口端が切れる。

絶対に泣かないと決め、理子をキッと睨む。


「ちょっと、やめなよ理子!」

「そうだよ、先生きちゃうって。」

友達になんとか止められて、理子はおとなしくなる。

衝撃で尻餅をついていた海をキツく睨みつけると

鼻で笑った。













一方、遥の教室の雰囲気も悪かった。

自分を見て小声で何かを話している。

「?」

「遥・・・。」

教室に入ってきた遥をみて健二は呟く。

「なあ、俺何かした?」

皆可笑しくないか?と健二に聞くと彼は俯き呟いた。

「お前らが双子ってこと、バレてる。

あと、両想いってことも。」

「はあ!?」

「広めた奴は誰かわかんねーけど、昨日

、クラスのほとんどの奴にメールが来た。」

ほら、と健二は携帯を見せてきた。

そこには衝撃的な内容が書かれていた。


自分と海が抱き合っている写メつきで

<実は双子だった筧海と筧遥。近親相姦中(笑)>


「な、んだよコレ・・・。」

「遥、」

冬樹が彼に声をかける。

「俺は、海ちゃんが幸せなら相手が双子のお前でもいいんだ。」

「冬樹・・・。」

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