モテる弟をもつ双子の姉の地味子の物語
ハプニングもあったが、なんとか用事を済ます事ができた二人は
まっすぐと店に戻る。
湖の近くまで戻ると、遠くのワゴン車の前で仁王立ちしている沢田が目に入った。
それを見て二人は目を合わせて、
慌てた様子で走り出す。
「遅い!!」
「す、すいません!」
「一時間もあれば買い出しできるだろ。何してたんだテメェら。」
「思った以上に人が多くて迷子になってたんです!
それで、探してたら時間が経っちゃって・・・。」
すいません、と遥のぶんも海が頭を下げると
沢田は はぁ とため息をつきぐしゃりと海の頭を撫でた。
「・・・早く仕事着に着替えて来い。
仕込みするぞ。」
沢田は沢田なりに心配していたらしい。
ぶっきらぼうな沢田を見て、やっぱり優しい人だと再認識する。
「5分で用意してこい。」
「は、はいっ!」
海の後に続いて遥も走った。
それから休憩なしでずっと仕込みをさせられていた二人はくたくただった。
手を少し止めれば怒鳴られる。
適当な人だと思っていたが、仕事においてはかなり真面目らしい。
二人は文句ひとつ言わずに黙々と仕事をこなしていった。