モテる弟をもつ双子の姉の地味子の物語







「つ、疲れた。」

「昨日よりハードだったね。」

ワゴン車の前に並べられていた椅子に二人は座り

ぐったりとしている。

今日は店は休みだった為に客はいなかったが、

休憩なしに動きまわっていたために体力の限界だった。


「お疲れ。」

沢田の声と共にカタ、という音がした。

テーブルを見ればいつの間にか豪華な料理が並べられている。


「え?」

「明日に備えて、食べとけ。」

今日よりもっと疲れるぞ、と沢田は笑う。

「「・・・ありがとうございます。」」

「おう。」

忙しく、疲れるけど楽しい。

素直にそう感じた。

ここで海とずっと一緒に暮らしていけたら、と考えて

遥は自分の考えに呆れた。

そんなの、できるわけない。



「遥、食べないの?」

手が止まっている弟を見て心配そうな表情を見せる海。

「いや、食べるよ。」

料理を一口、口に運んだ。









*


「・・・健二。」

最後の授業が終わる予鈴と共に、冬樹は声をかけた。

「なんだよ。」

「落ち込みすぎ。」

「・・・そりゃ、落ち込むだろ。」

健二は昨日の事を思い出す。

理子と二人で遥の家に向かったのだが、家に明かりはついていなかった。

出かけているのかと思ったが念のためにチャイムを鳴らすと

中から双子の母親がでてくる。

母親の表情は疲れていて、目元には涙のあとがあった。
< 182 / 206 >

この作品をシェア

pagetop