モテる弟をもつ双子の姉の地味子の物語



「いらっしゃいませー。」

「コイツを可愛くしてあげてください。」

「え?」

場所は美容室。

遥はうじうじしている海を前へ突出し、美容師に向けて言った。

どう考えても無理だろ、という美容師の視線にイライラしながら

遥は 行って来い と海に告げる。


「う、うん・・・。」

「その長い前髪も切ってもらえよ」

「わかった・・・。」


これじゃあ弟ではなく兄のようだ。

遥は何度目かわからないため息をついた。



一時間後、



「遥君っ!」

「ん?」

読んでいた雑誌から顔をあげて、遥は固まった。


「・・・どちら様?」



「・・・海です。やっぱり、変?」

「~っ////」

(可愛い、やばい、すっげー可愛い。)

「ま、まあ、いいんじゃね?」

平常を保ったつもりだった。

「そう?よかった。」

海は笑う。

するとまわりにいた客や美容師までもが頬を染めた。

海の前髪は眉毛の少ししたで綺麗にそろえられ、

髪はショートになり誰が見ても可愛いといえるほどになっていた。
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