モテる弟をもつ双子の姉の地味子の物語
「俺・・・、」
「遥く・・・は、遥・・・?」
「・・・、なんでもない。」
「?」
遥は 先風呂入るから と言って脱衣所に行ってしまった。
海は先ほどの遥の態度を見て、胸が熱くなるのを感じた。
(・・・なんだろう、)
よくわからない感情に首をかしげる。
そしてあまり気にしないようにするためにテレビに視線を戻した。
*
翌朝、予想していなかった事が起きた。
「・・・・海、その頭。」
「・・・遥、」
「なんでそんなボッサボサなんだよ!昨日はストレートで綺麗だったのに!」
「昨日は、美容室でアイロンしてもらったから・・・、」
「母さん、アイロンねえの!?」
「そんなものあるわけないでしょ~、
早く学校いかないと遅刻するわよ!」
「・・・。」
寝癖とクセっ毛のせいで、
アフロのようにボサボサになってしまった海の髪形をみて遥はため息をついた。
「俺、今日部活だから・・・海、お前帰りにアイロン買ってこい。
金はあるだろ?」
「う、うん。あるよ・・・お小遣いもらっても使わないし。」
「じゃ、一番いいやつ買って来い。この際値段なんか気にしてられねえだろ。」
「わかった。」