モテる弟をもつ双子の姉の地味子の物語
「で?」
「んふふ、遥君、えらいわね~お姉ちゃんを護るなんて!」
「うっぜーんだよ!離れろよ!」
夕食時間、母親は遥を抱きしめて離れない。
「遥、良かったな!」
「よくねーよ!父さんも見てないでコレどうにかしろよ。」
「ママ、遥が喜んでいるぞ!」
「よかったわ~!」
相変わらずウザい両親だ。
遥はなるべく気にしないようにして夕飯をとった。
夕飯後、リビングでテレビを見ていた時のこと。
「あ、海。」
「何?遥君。」
「俺のこと、君とかつけなくていいから。それに、お前目悪くないのに
メガネするのやめろよな。」
「え?」
「新しい約束な。
明日からうつむくな、メガネするな、俺を呼び捨てにすること。」
「う、うん。」
「どもるのも禁止。」
「わ、かった。」
「冬樹を、振り向かせたいんだろ。」
「え?」
嫌そうに、しかし、しょうがなさそうに遥は言った。
海は目を見開いて彼を見る。
「・・・うん、」
「好きなんだろ。」
「っ・・・わかんない///」
「はっきりしろよ。」
「だって、分からないならしょうがないじゃん。」
「はっきりしてくれなきゃ、俺・・・。」
「え?」
遥は何か言いたそうな表情で海を見た。