水曜日の彼女


 「望さんはヒデの気持ちは知っているの?」

 チカはが呟くように尋ねてきた。


 声が震えている。


 「さあな。でも薄々気付いてるんじゃねえ?俺、思った事すぐに顔に出るらしいから。」


 重い空気を一掃しようと、わざと明るく返したが効果がなかったようだ。


 「ヒデの気持ちは分かった…。じゃあ私、行くね。」

 うつむいて声を震わせながらそう言うとチカは駆け足で去っていった。


 うつむいていた為顔がよく見えなかったが、もしかして泣いていたかもしれない。


 チカを傷つけてしまった。


 チカがいなくなってもまだ重たい空気が残っていて、罪悪感が残っている。


 だけど、自分の気持ちを伝えられて胸のつかえが取れた気分でもある。


 これで望さんを真っ直ぐ見れる、そんな気がした。


 …俺って以外と薄情なのか?


 「…ごめんな、チカ…。」



 空を見上げると真っ黒な雲が覆っていて、ぽつり、ぽつりと雨が降りはじめていた。



 
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