山あり谷あり谷あり…そして…
人生の分岐点

ウチは誰?思い出がない…

2年生の3学期…
気分が悪くなり、保健室に行こうと席を立って廊下に出た途端、倒れました。

気が付くと、保健室だったのですが、今日一日のことがスッカリ記憶がなくなっていました。

母親に連絡が入り、一緒に帰宅する事になり、家で横になっていました。

目が覚め、孤独感というか…自分は何なのか…すら解らなくなっていました。

別の部屋に母がいたのですが、誰かも解らず

『すみません…どちら様ですか?ここは?』

母は苦笑いを浮かべてました。

『何言うてんの?』

の変なやり取り…

目が覚めた部屋に戻り、考える事すらままならない状況…ただただ…壁を見つめていました。

数日後、精神科に連れていかれ、その診断が『逃避性ストレス記憶喪失』だと診断されました。

記憶がなくなったのです。過去がないのです。

小さな頃からの積み重ねで、自分を捨てたい…辛い…寂しい…等の感情の積み重ねが、記憶喪失として、表れたのです。

暫く、学校にも行きましたが、全くちんぷんかんぷん…クラスメイトは、壊れるものを触るかの様な接し方…

父は、芝居をしてると思い込み、抽象的言葉を発する。

どうしたら良いか解らず、追い詰められたウチは、自殺をする事を選びました。

結果、首吊りをするつもりが、紐が切れ生き残り、いつでも死ぬことは出来る…と考え、部屋でテレビを付けました。

すると、テレビに映ったのは『オレたち!◯◯族』

たまたま、やってたのは、◯んまさんとた◯しさんのコーナー…

生まれてから、初めて腹の底から笑えたのです。なんて、爽快なんだろう?元気が湧き出るような感触…

もしかして、生きていればこの感じを味わえるかも…楽しい気持ちを一杯経験出来るかも…

と思い直すことが出来ました。

◯んまさんのキャラに救われたんです。

お礼を言いたい…会いたい…と言う気持ちから、このままでは、会えても話しは聞いてもらえない!と思い、同じ業界人になる事を決意しました。

学校へ行っても着いていけないし、楽しくもないから、退学する事にし、バイトを始め、どうすれば◯んまさんに会えるかを考える毎日をおくりました。

ある日、新聞にタレント養成所の研究生募集欄が目に留まりました。

思いきって申し込み
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