シュークリーム
「な、なに……?」


「いや、森って可愛いなーと思って」


「なっ……!? 私のどこがっ……!」


カッと頬が熱くなるのを感じながら言い返すと、村上君は悪戯な笑みを見せた。


「夢だったらどうしよう、なんてしおらしいことを考えてるところとか」


その言葉にもうなにも言えなくなって俯くと、座り込んだままの私の体を包むようにフワリと風が吹いた。


それと同時に感じた温もりに、また涙が溢れる。


そんな私の頭上から、穏やかで優しい声が舞い降りて来た。


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