いけない保健教師〜気になる不良転校生〜
「あ。それでさっきの子に顔を見せるなって言ったの?」


「そうですよ。他に理由ありますか?」


徹也はドアに鍵を差し込みながら、事もなげにそう言った。


(なんだ、そうか…。よかった)


「さあ、どうぞ」


徹也が部屋のドアを開け、「おじゃまします」と言って中に入ると、整然として想像したよりも広い室内に春田は驚いた。


「まあ…。男の一人暮らしにしては綺麗にしてるのね?」


「まだ引っ越して来たばかりですからね」


「ああ、そういう事ね…」


「どうぞ上がってください。あ、スリッパがなかった…」


「構わないわよ」


春田は片方が壊れた靴を脱ぐと、ピカピカに光るフローリングの床に足を乗せた。


「今度買っておきますね」


(今度? もしかして、私のためって事!? なんてね)
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