Escape from the DEAD
『芹』

要は芹の事を下の名前で呼び始めた。

…紅の胸の中が更に波立つ。

本当は、どうでもいいのだ。

寒いならば寄り添って眠ればいい。

芹の言う通りだと思う。

芹が紅に寄り添ったのなら文句は言わない。

要が紅に寄り添ったとしても文句は言わない。

だが、『芹が』『要に』寄り添っている。

その事が紅の感情を逆撫でにする!

「今は非常時なんだぞ、来生!こんな時に協力と恋愛ごっこを混同するなど、勘違いも甚だしいぞ、お前!」

その言葉に、逆に憤ったのは芹だった。

「混同なんてしていません!」

紅に逆らうように立ち上がり、大声を張り上げる!

「私、要の事好きですから!」

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