Escape from the DEAD
「え、私?」

要が使うと思っていたのだろう。

まだ泣き腫らした顔で芹は驚く。

「二階堂先輩は喧嘩慣れしているし、俺は男だ、腕力もある。来生は万が一また孤立した時に、身を守る武器を持っていた方がいい」

(フン…甘ちゃんだがそれなりには考えているか)

紅が内心、要を評価した。

…芹は箒を握ってまじまじと見る。

穂先を取り外された箒は、先端に金具がついている。

柄もそれなりに頑丈に作られているようだ。

鈍器として殴りつけても、槍のように突いても、そこそこの効果は発揮できそうだった。

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