十人十色~君の声を聞かせて~
「じゃあ買い物付き合って?」
「いいよ」
俊正はそう素っ気なく答えた。
わたしは俊正の腕に寄り添いながら一緒に商店街に歩いた。
「俊正! この指輪可愛いね!」
アクセサリーショップで見つけたイチゴをモチーフにした指輪に、わたしは目を奪われていた。
「あー……でも高いなー値段……わたし今月ピンチだから買えないや……」
と、財布の中身を見て、わたしはうなだれた。
あーバカバカ!
なんで貯金とかしとかないのよわたしのバカ!