君が愛した教室

次の日、私は一番に担任に進路調査用紙を提出しに行った。

あまりにも変わった私の顔付きに少し圧倒されつつも、担任はそれを受け取った。
そして、その中身を見てまた驚いた顔になっていた。


「これで……いいの?」

「はい。」


担任は確認するように私に用紙を渡してきたけど、この進路の決断にもう迷いはなかった。
私は、私の人生を追い続ける。





私は迷うことなく、

【理系。物理選択希望】

と記入された進路用紙をそのまま担任に返した。




そして、その光景を意味深な笑顔で見ていたその人に向かって言った。

「吉原先生、物理のこと。もっと詳しく教えて貰っていいですか?」

「しゃーねぇな〜」

吉原先生はわざとらしそうにそう言った。
そしてお互い、笑顔になった。





私と先生との距離は、急速に縮まった。


でも…近付く程知っていく現実を、
私はまだ知らなかった...


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