水色王子とピンク姫
エピローグ







それからあたしは無事、退院しました。


そして今、雪佳とあたしの部屋でくつろいでいます。


「……あっ」


クローゼットの奥から、何かが出てきた。


絵本『水色王子とピンク姫』


「懐かしい……」


「何それ」


雪佳が絵本を見る。


「この絵本を見て、あたしは雪佳にピンをあげたんだよ」


そう言って雪佳の前髪を指す。


「へぇ」


「……確かに雪佳は王子様になったよね~」


まじまじと雪佳を見つめる。


「んじゃ春はお姫様だな」


「あたし、お姫様ってキャラじゃないし」


< 243 / 245 >

この作品をシェア

pagetop