HELLO
アハハと声を出して笑いながらやりとりをする私たちに、
「祐二じゃない?」

声が飛んできた。

声の主に視線を向けると、女の人だった。

「信子さん…」

祐二が呟くように、彼女の名前を呼んだ。

その人――信子さんは微笑んだ。

「えっと、知り合い?」

そう聞いた私に、
「昔、産婦人科医として病院で働いてたんだ」

祐二が答えた。

「へえ」

信子さん、産婦人科の先生だったんだ。

「その人は?」

そう聞いたかと思ったら、信子さんの視線が私に向けられた。
< 128 / 180 >

この作品をシェア

pagetop