HELLO
祐二はフッと笑うと、
「それからどうしても杏樹に会いたくて、今までつきあってきた女たちと別れた。

厄介なヤツもいたけど、何度も土下座して許してもらった。

それで杏樹に会えるんだったらそんなものは苦じゃなかった。

けどどんなに探しても見つからなくて、最後の希望としてお前が働く結婚相談所に入った。

そこで、やっと杏樹に出会えた。

嬉しくて、仕方がなかった。

ずーっと探してたお前に再会できたから。

お前は俺のこと覚えてなかったけど、それでも嬉しかった。

再会したからには絶対に俺のものにして、結婚してやるって思った」

祐二は忘れていたような晴れ晴れとした笑顔を見せると、
「あー、スッキリした」

両手を上にあげて伸びをした。
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