HELLO
「それから急に仕事が楽しくなった。

ムチャクチャ言うお客様の要求に答えるのが楽しくなった。

この人を幸せにしよう。

この人を笑顔にさせよう。

そう思うと、何だか楽しくなって。

私の仕事は幸せを売る。

私の仕事は笑顔を売る。

自分の仕事に誇りを持って働いてたら、まさかのこの展開になったわ」

最後の部分はおかしくなって、笑ってしまった。

――俺と結婚してくれ

私の顔を見るなり、祐二はいきなりそんなことを言った。

たぶん忘れろって言う方が間違ってる。

けど、祐二とはもうずっと前から出会っていた。

そう思うと、みんな今日を繋ぐための出来事だったんじゃないかと思うんだ。
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