HELLO
壁に押しつけられたと思ったら、それはそれは端正な片桐の顔が近づいてきた。

「な、何よ」

いきなりの至近距離に心臓はうるさい。

って言うか、ドキドキはいらないから!

「何って、お礼だろ?

いいことされたらお礼をするのは当たり前だろ?」

そ、それは、そうだろうけど。

「いらないわよ、そんなもの。

バカ言ってるヒマがあんなら離してよ!

仕事があるんだから!」

「バカ……なるほど、そんな風に思うのか」

一瞬、片桐がニヤリと笑った。
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