☆ハイローハート
はあ、まさか駅の向こう側とは

あこにミスドが駅前にあると聞いて行ってはみたものの、いつも使う改札口じゃない方の改札口前で、思ったよりも歩かされた

前にMJと一緒に行った時にポイントをためるともらえるポンデライオンのお弁当箱がレジ横に置いてあって、それがめちゃくちゃかわいくて家のどこかに置きっぱなしのポイントカードを探してきた

当分はミスドたーべよ
お弁当箱もらえたら、がんばってお弁当つーくろ


そんなことを考えながらマンションの下でエレベーターを待っていると、人の足音が聞こえて振り返る

「あ、理一
コンビニ行ってたん??」

理一はTシャツに楽そうなズボンをはいて、手に小さいビニール袋をぶらさげていた

「アタシはミスドまで行ってきてんけどさー
あこが駅前っていうから近いと思ったら、駅の向こう側でめっちゃ遠かったー」

「それはいいけど、買いすぎじゃない?」

理一がアタシの手のミスドの箱を凝視している

確かに、調子に乗って買いすぎたとは思ったけど

「やっぱ?
だってな、ポイント貯めたらもらえるポンデライオンのお弁当箱が欲しくって~」

「弁当?みさき作れんの?」

エレベーターがきて二人で乗り込む

「作られへんけど」

と苦笑いしつつ「かわいいお弁当箱があったら、作ろうかなって思えるやん」と箱に描かれたポンデライオンを見つめた

「そうか??」

と冷たい視線を返される

「アタシ、ポンデライオン好きやねん
見てこのお口のとこの丸くなってるとこ……
きもちいいやろ?」

「気持ちいいって、絵だろーが」

「見てたら気持ちえーやん、もう、ノリ悪いなあ」

「悪かったな、ナルみたいにノリが良くなくて」

「え?ナル?なんでナル??」

笑いながら理一を見ると、ふて腐れた顔をしている
なんで、ナル……?

5階につくと、アタシより先に理一が外に顔を出した

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