☆ハイローハート
「ね、へそぴあけにいこっか」

話しかけられて、真っ暗闇からぼんやりとした意識を振り払うと、アタシの部屋ではない壁が見えた

あ、そっか……
昨日あれから、あこの家に来て泊めてもらったんだった


「へそぴ……??」


寝起きでサクサクうごかない脳がゆっくりと起動を始める


「モロ、スマホのさ、モロが入れてたあのアプリってなんだっけ??」

「どのアプリ??」

「なんかね、バッテリーの残量教えてくれるやつ」

「えーーっと……バッテリーバー??」

「インストールしよ……」


寝起きっからあこは色々話しかけてきて、昨日の出来事を一巡して落ち込む隙がない


「モロのスマホにちっこく出てるお天気予報は?」

「それはな……なんていうヤツやっけ??
ちょっと待って、アタシのケータイ……」

「今日、もう学校行くのやめにして、へそぴあけに行こうよ」

「いくいく」


体を起こして枕元に置いていたケータイを取るとうつぶせで寝転がって操作する


「アタシが今日のモロの服コーディネートしてあげる」

「ああ、そっか……
そういや、服ないねんアタシ
下着とかも買いにいかな……」

「今日一緒にいこ」

「うん……
あ、あった、ヤフーの天気情報やわ」

「ヤフーね、了解了解
そういや、駅ビルにピーチジョンできたって」


話はコロコロあちこちへと行き来するんだけど、女子達の会話はこれで200%成り立っている

ケータイで時間を見ると、朝の9時半

とっくに学校がはじまっている時間だった


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