☆ハイローハート
「え!理一は“さやか”がどうとか言ってたから……ナル?とよきの方?」

「どっちも違います」

「え~、そうなん?」


洋平くんが首を傾げながら「理一って誰~?」なんて聞いてくるけど、無視


「いいな~、アタシも彼氏ほし~」

わざとらしく乙女ポーズをとってみると、横で洋平くんも同じポーズをして目をパチパチさせた

「みさきちゃん、俺とつきあおっか」


…………


「「うわ~、ムリムリ」」


何故か、あことアタシの声がかぶる


洋平くんが「なんで俺、ついでにあこちゃんにまで振られてんの?」なんて笑っている

「ごめん……、いや、もしアタシがモロだったらこんな告白のされ方絶対イヤって思ってさ……思わず声に出た、ごめん」

「あこじゃなくても、こんな告白イヤやって~
アタシめっちゃロマンチストやし」

女同士で笑っていると洋平くんがキリっとした顔をしてアタシの手を握った

「みさきちゃんは太陽、俺は月……
俺はいつもキミをおいかけているんだ」

……

「「一生追いかけてれば」」


またあことアタシの声が重なった


ハタと顔を見合わせて笑いあう

やっぱりこの女、アタシと思考回路が一緒……!

なんか、何かがすごくおもしろくて、アタシはウキウキと浮き足立つ気持ちを押さえ切れなかった

笑いすぎて、ちょっと目が潤んでくる

あこもめちゃくちゃ笑ってる

ほら

――いっしょ!



「そーゆーとこも好きッ」

洋平くんの薄っぺらい愛の言葉は、アタシに届く前に笑い声にかき消された

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