☆ハイローハート
……鮮度のいい魚は、やはりおいしい……


モロが好んで毎月読んでいた雑誌の占いのふざけた文面を思い出すと、ふと笑えた


まるで「そうしたいからそうするんだ」といわんばかりの彼は猫のように自由気ままに振舞う

だからロシアンブルーはアタシの目にすごく新鮮だった

きっと彼の声も、彼がつくる曲も、全て彼の自由な精神から生まれてくるのに違いない

フリーマインド

すごく彼に似合う言葉


自然と指が奏でるメロディーに、彼の声が乗る


透明で、誰の心にも入っていけるはず


だけど、一緒にいると、アタシはそれを望まないから

あなたの心が誰かの心を動かすことを喜べないから

あなたの心に誰かが入ってくることが怖いから……


「ファンの子に何かされたから……とかじゃないよね?」

「……アタシが、そんなのに負ける女だと思う??」


「他に好きな男ができた……とか」

「……あんたが、そこらの男に負ける男だと思う?」

「……さあ」


ロマンチックな月夜は

アタシをうそつきに変身させて

本音を隠す


だから彼の本音も見えなくて

薄暗い光に不安になる






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