☆ハイローハート
「いてぇ……」

「モロとどうしたいか聞いてんじゃないって
さやかとどうしたいのか聞いてんの」


「ほんっとバカ」と付け加えて更にもう一発叩かれた


漠然と、ぼんやりと、考えるでもなく思っていたこと
決して決意したことではないんだけど
でも、こうできればいいな~ってなんとなく夢見てること


「俺……みさきが帰ってきたら、謝って……
それで」

「モロの話じゃないっつの」

「いいから!最後まで聞けッ!」


あこに話を遮られて、怒ったようにそう言うと、「ああ、はい、どうぞ」と手のひらを出された


「みさきに、“好き”って伝えたい」

「ふ~ん、で?」


で??


「だ、か、ら、さやかとどーしたいの??」

「……穏便に、別れたい……
あああ~~~……あこ、どーしたらいい??」


あこは少し考えるような間を置く


「アタシね、自分以外の女の事を想ってる男なんて全然興味ないんだ
むしろそんな男、こっちからゴメンって感じなの
だから、さやかがなんで理一と別れないのかよくわかんない」

「だよな、俺もそう思う」


ケータイでメールでもしてんのかと思ったけど、ナルが突然俺に画面を向けてきた


「なあ理一、この女優さ、みさきに似てると思わねえ??」

チアリーダーの格好をしたハーフっぽい女の子がロッカールームで、野球のユニフォームを着た男に襲われている

「……顔が見えない」

「めっちゃ似てるんだって、あ~あ~俺もみさきとシタい」

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