☆ハイローハート
本当は、アタシの部屋でパンツ丸見え状態を理一達に目撃された話をしたいけれどやめておいた

初対面の男にお尻をみられたあげく、その場しのぎとはいえお盆で肝心な場所を隠された衝撃といったらそれはないだろう

……思い出しても笑えてくる

しかも一人ならまだしも同時に3人もの男にさらしたわけだから、それはもうお気の毒だ


「何ニヤけてんの?」


彼は、理一がアタシの家に自由に出入りしていることをよく思っていない

かつてそういう話をサラッとしたら軽くケンカになって以来話題にするのは控えている

小さい頃から一緒に育ってきている幼馴染の関係・空気感というものを彼は知らないんだ

だからそれは言葉で説明したってきっと伝わらない

彼にとってアタシと理一は「男と女」以外の何物でもないのだから


……いや、理一と男と女の関係になるなんて、絶対ゴメンだけれども!!!


ちょっと眉間に力が入ってしまったらしい


「今度は怒ってるけど、あこ、勝手に頭で話すすめないでくれるとありがたい」

……ああ、しまった

また脳内トリップだ


「ごめんごめん」


手を握る彼の手をギュッと握り返した

「その新しいお友達の名前はなんていうの?」

「モロ」

「モロ?」

「そ、諸岡だから、モロにした」

「彼氏は?」

「引越してきたばっかりだし、いないよ」

「そっか、たとえモロちゃんに合コンに誘われても、あこは参加禁止だから覚えといて」


……もっと自信もてばいいのに

そんな秘めたるアタシの内心


「俺もこの間合コン断ったし」

わあ、恩着せがましい

アタシは彼の顔を見てニコっと笑った


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