☆ハイローハート
「お前の彼女じゃねーんだから、あんま人に見せてんじゃねーよ」

「彼女になるかも知れないじゃん」

……龍一の言葉に目が点になる


「龍一……お前、みさきの事が好きなの??」

「留学してる間に俺がみさきの身長追い越したら、イイ事してくれるって約束したし」

「イイ事ってなんだよ」

「イイ事はイイ事に決まってんだろ」

「はあ~~~??」

「ま、理一は相手にされてないみたいだし、俺がんばって身長のばしちゃうもんね
さ、牛乳牛乳」


「イイ事ってなんだよ!」

「内緒」

「みさきはヤメとけ」

「理一にそんな事言われる筋合いないね」


消えていく龍一の声


俺はあわててケータイを取るとみさきにメールした


――龍一がみさきより身長伸びたらイイ事してもらえるって自慢してくるんだけど、イイ事って何?
しかも、来日が1ヵ月早くなったって俺にも教えろっつーの


送信してポイッとケータイを投げる

イラっとしたら、余計腹減った


リビングに行ってご飯の催促しようと思ったのに、ケータイが鳴って慌てて戻る


――かわいい龍一の夢を叶えてあげるの★
来日って、ハリウッド女優じゃないねんから……
理一もアタシの帰国待ってくれてんの?
アタシの事なんて気にしてないと思ってた
6月の中旬以降に帰るね


“アタシの事なんて気にしてないと思ってた”って……


みさきの中の俺は、あの日のまま止まってる

「簡単にヤレる女」って言ったあの日のまま



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