☆ハイローハート
「新しいケータイって、嬉しいよな」

「うんわかる~
今理一、家に帰ってすっごいケータイいじりたいやろ?」

「うん」

「あかんからね、アタシの買い物付き合ってくれるんでしょ?」

「ゴミ箱は最後な」

「ん~じゃあ、本屋さんから」


みさきは本屋で二冊ほど料理本を買った


「料理すんの?」

「そう、ちょっといい機会やから手料理ってやつをマスターしようと思って」

「お前、絶対作れなさそうだもんな」

「うん……だって、お母さんにまともな料理作ってもらった記憶がないもん」


……そうくるか


――で、鍋って何個いると思う?

――泡だて器って必要?

――ざるって大きいのがいい?小さいの?


そういうのは聞かれてもはっきり言って全然わからない


みさきは自分で立つしゃもじを見て唸ったり

かわいいキッチンペーパーホルダーを見て感激したり

ピンクのまな板を見て驚いたりしている

わさびやからしを並べて収納するグッズだったり……

とにかくものすごい次々とたくさん買い物かごに入っていくのを見て、内心(オイオイ)と突っ込んだ


「シリコンスチーマー……なんかようわからんけど、こんなにドーンと並べられてるねんから便利に違いない、買おう」


……なんだその理由


「上手に1滴だけ出せるしょう油差し……塩分の摂りすぎを防げるかもしれん、買おう」


……健康マニアか

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