☆ハイローハート
夏休みが終わるまで残り一週間、バイトは休みをもらっていて宿題のラストスパート

夏休みがあけると、すぐ俺の誕生日……まだみさきを誘えてないけど

それに県大会の試合も控えている


お互いに宿題に集中できる環境を作ろうと意気込んで、ナルととよきが俺の家に集合することになったんだけど

「コンビニで飲み物買ってから気合いれてするか!」

とナルが言い出したのがトラブルのはじまりだった

三人でコンビニまで行って帰って来ると、あこの家からテンションの高い叫び声が聞こえてきて、俺たち三人の足が止まる


「……何事だ?」

ナルが瞬時にあこの玄関のドアに耳をつけている

「今日あこ何してるって?」ととよきの顔を見た

「諸岡と遊んでるって言ってたけど」


なんですと?

俺はナルと並んでドアに耳をつける


――いや~ん、クルージングってすごくない??

――素敵やん素敵やん


クルージング??
なんだそのセレブな会話

「気になるな」

俺がそう呟くと、ナルがうんうんうなずいて、俺たちはとよきの顔をうかがった


「あの……ちょっとだけ、挨拶しに行きません??」


と俺がいうと、「まあ、いいけど」ととよきがインターホンをいきなり鳴らした


「はいはい♪」

インターホン越しでもあこのテンションが高いのがわかる

「俺」「理一だけど」「ナッルでーす」

三人の声が見事にかぶる


ガチャンと受話器を置く音の数十秒後、あんまりテンションの高くない顔をしたあこがドアをあけた



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