ブランコ
蒼空の事情


ー彼方sideー




俺…やばいよな……。


マジで蒼空に嫌われたかも…。


俺は深々とため息をつき、机に突っ伏した。


なんか、泣きたくなってきた…。


それもそのはず。


あれから約1ヶ月もの間、あからさまに蒼空に無視されてるんだから…。


やっぱまずかったな…最後の質問。


蒼空にあんな泣きそうな顔をさせてしまった。


俺はふせている顔をそのまま横に向けて、外を眺める蒼空を見た。


手を伸ばせば届く距離にいるものの…、

その存在は宇宙の果てより遠く思えた。



その遠すぎる距離に、不安と苛立ちがつのる。


あ゙ーー!!


俺は髪をガシガシっとかいた。


そこへ


「うっわ!!彼方めっちゃ髪ボサボサなっとるやん!」


テンションの高い関西弁が頭上から聞こえた。


顔をあげると、案の定そこには無駄にドアップな顔があった。


「……咲斗。もうちょっと顔離せって」


俺が顔をしかめると


「あぁ、ゴメンな」


少し笑いながら咲斗は顔を離した。



こいつは俺がこっちに来てできた1番目の友達、結城 咲斗(ゆうき さきと)。

金髪にピアスしてて、外見ものすごくチャラい。

でも俺の、こいつの第一印象は"めっちゃカッコイい"だった。
そんくらいイケメン。

それに話してみたら、外見じゃ想像できない程いい奴だ。






< 31 / 79 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop