ブランコ


「なんや。また蒼空チャンのことで悩んどったんか?」


「まぁ……



―――――――――は?」



つい呆けた声がでた。

だって…。


「なんや、ビンゴか?(笑)」


くすくす笑いながら咲斗は言う。


…なんでバレてんの…。


俺はバツが悪くてフイッと咲斗から目をそらした。


「ハハハッ!!彼方分かりやすいわぁ!!」

「……なんで?」

「ん?」

「なんで分かった?」


俺は咲斗を睨みながら聞いた。

咲斗はやっと笑いをおさめ


「なんでって…。そんなん、この頃彼方ずーっと蒼空チャン見とったやん。見ながらため息までついとるし…。誰でも分かるやろ」


「……」


俺は必死に今までの自分の行動を思い返した。

そんなずっと見てたっけ…?


「蒼空チャンに無視された後とか、落ち込み方ハンパないしな」


咲斗はそう言った後、思い出し笑いかまたくすくす笑い出した。


「ありえねぇ。普通そこまで見ねーだろ…」

「見なくても大体分かるて。彼方と何年おる思てんの」

「…まだ会って1ヶ月」


俺が咲斗を睨むと


「せやな。(笑)けど俺を出し抜こうなんて100年早いわ」


咲斗はニヤッと笑った。


別に出し抜こうなんて思ってねーけど…。

でも確かに咲斗に何かを隠そうとするのは無理があったかな。


咲斗は、まぁ簡単に言えば超情報通。

どんなにバレないように何かをしたとしても、なぜか咲斗にはほぼバレてる。

なんかこう千里眼みたいな。(笑)


そして咲斗はそれだけならまだしも、なんとまぁ厄介なことに人一倍情報通のくせして人一倍秘密主義者。

だから結構いろんなところで恨みを買ってるらしい。

ま、だからといって咲斗に勝てるわけはないんだけどな。

咲斗人の弱み握るの得意だし。

「まぁ、ええわ。今日の帰り、根掘り葉掘りきくからなぁ。覚悟しときや、彼方」


彼方は悪魔のように微笑み、「めっちゃ楽しみやなぁー♪」って言いながら席に戻っていった。


はぁ…。


あいつを恨む奴らの気持ちが分かるわ…。





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