13月32日と25時の昼夜
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更にその次の日。村長がタルの家を訪れた。
「アクとチャリが行方不明になっているそうだ。二人とも、タルの家に行くと言って消えたらしいのだが。心当たりは?」
「大蛇を探す旅に出るとおっしゃっていましたよ」
「御守りも持たずにか? チャリの家族によると、チャリは出かける時、必ず御守りを持つようなのだが」
「そうなのですか」
「ああ。それが、お前の家の裏に落ちていた」
「落としてしまったのでしょう」
「なぜわざわざ家の裏に?」
タルは微笑して、壺を目の前に差し出した。
「村長さんも、まずは私の大蛇をご覧になってください。あなたも必ず旅に出たくなりますから」
村長はアクやチャリと同じように覗きこみ、手を入れて、疑いの眼差しをタルに向けた。
「何もはいってないではないか」