13月32日と25時の昼夜

 * * * * *


 更にその次の日。村長がタルの家を訪れた。


「アクとチャリが行方不明になっているそうだ。二人とも、タルの家に行くと言って消えたらしいのだが。心当たりは?」

「大蛇を探す旅に出るとおっしゃっていましたよ」

「御守りも持たずにか? チャリの家族によると、チャリは出かける時、必ず御守りを持つようなのだが」

「そうなのですか」

「ああ。それが、お前の家の裏に落ちていた」

「落としてしまったのでしょう」

「なぜわざわざ家の裏に?」


 タルは微笑して、壺を目の前に差し出した。


「村長さんも、まずは私の大蛇をご覧になってください。あなたも必ず旅に出たくなりますから」


 村長はアクやチャリと同じように覗きこみ、手を入れて、疑いの眼差しをタルに向けた。


「何もはいってないではないか」
< 17 / 20 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop