13月32日と25時の昼夜

 タルはニッコリと頷いて、素早く村長の腕を掴むと、不気味な笑みを浮かべた。

 ちらちらと蛇のように長い舌が口先を出入りして、次の瞬間、タルは口をあんぐり開けて村長の腕に噛みついた。


「うわああぁあぁ!」


 みるみる村長の顔が青ざめて、ドサリと倒れた。体の自由が利かず、呼吸が乱れ始める。
 冷笑するタルを見上げて、力を振り絞りながら村長はタルに言った。


「お前がやったんだな……!」


 その言葉を最期に、村長の視界は幕を閉じた。



 * * * * *



「タルさんが新しい村長を任されたらしい」

 
 そんな噂がたっているのは、住民97人の小さな村だった。

 不思議なことに村人はきっかり97人で、98人でも、96人でもない。ちょうど97人の小さな村。
 電気もガスも通っていない、小さな小さな村だ。

 そこに先日、3人の村人がやってきて、100人目の村人となったのだ。

 新しい村人は尋ねた。
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