コスミックダスト-戦塵の宮殿
「宇宙人のことを素直に信じてくれそうだったから」

「オレのどこが単純なんや! このドアホ!」

「ほら、またドアホて言った」

「・・・・・・」

「でもさ。暴走族はあんまりカッコよくないと思う」

「はあ?」

「オレの星にもね、そういう命知らずの愚連隊みたいなの、いるよ。でもヤツら、長生きしない」

「・・・・・・・・」

「15や16で死んじまうのって・・・なんだか哀しいよね」

「オレは死なねえよ」

「だから暴走族、やめろよ」

「いらん世話」

「アロン部隊の二の舞は御免だよ」

「アロン部隊?」

国王の定めた法律を守り、健全に生きて行く生活に嫌気の差した若者たちが、愚連隊を結成し、アロン部隊と名乗った。

そして、無謀なクーデターで命を落とした。

「わざわざ法律破って、死に急ぐことないじゃない」

ミドリは念を押すように語り、オレを見た。
クーデターという言葉には馴染みがないが、もしかしたらアロン部隊はオレたちと似た者同士かも知れない。


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